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【大分】<伝統×新風>五感で味わう大分旅〜竹細工編〜

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竹を加工して作られた竹細工製品、皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?今回は日本一のマダケの生産地である大分県にて、竹細工職人さんとの交流や竹細工について学べるスポットを訪問してきましたのでご紹介します。

伝統文化や観光スポットについては下記の記事でご紹介していますので、こちらもぜひ覗いてみてください!
〜街歩き編〜はこちら
〜鉄輪温泉編〜はこちら

※この記事は2023年12月時点での情報です。休業日や営業時間など最新の情報は、各施設・店舗へお問い合わせください。

五感で味わう大分旅 〜竹細工編〜

大分県は源泉総数・湧出量共に全国一位を誇る温泉地ですが、実はマダケの生産量でも日本一!それに伴い、大分県では伝統工芸である竹細工も発展しています。

作品名「Frill, cloud 03」 作「中臣 一さん」

伝統工芸や伝統工芸品と聞くと“日常にはない非日常的なもの”や“高級品”というイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか?
実際に私もそのようなイメージが少なからずあったのですが、現在の竹細工はみて楽しむことはもちろん、日常遣いできる商品や手軽に体験できるスポットもたくさんあるんです!

早速、竹細工を学び楽しめるスポットやイベントをご紹介します!

大分県立美術館 OPAM 「竹会」

まずは、「大分県立美術館 OPAM」です。こちらでは、竹細工作品の展示やイベントが行われていたため訪問させていただきました。

今回行われていた竹細工イベント名は「竹会(たけえ)」。

このイベントは19日間にわたって行われ、竹を“見る・知る・考える・作る・遊ぶ・聴く・
語る・味わう・触れる・そして好きになる“をテーマに、県内の竹細工職人さんを筆頭に作り上げたイベントです。

展示だけでなく、ワークショップや竹藝家「こじまちからさん」の竹ひご取りの実演などさまざまな催しが行われており、私が訪問した最終日にはクロージングイベントも楽しませていただきました。

竹藝家「こじまちからさん」による竹ひごとりの実演

竹ひごとりの実演中、竹藝家のこじまちからさんよりお話しいただき驚いたのですが、竹細工職人さんは基本的に竹ひご取りから全て自分たちで行い、この作業は職人さんたちの仕事のうち約8割を占めているとのこと!

サクサクと一本の竹をいくつにも割いておられるのですが、ここまでできるようになるために約三年以上もの時間がかかるそうです。

竹細工作品は三・四本の竹ひごを組み合わせて一つの線を描いていたり、長いものでは数メートルにも及ぶ竹ひごが用いられている作品もあります。どれだけの職人技か、この実演とこじまちからさんのお話しを聞いて初めて気づくことができました。職人さんってやっぱりすごい…。

そして最後のクロージングイベントでは、生演奏を聴きながら大分県の地酒とめんまをいただきました。身体と心で目一杯幸せを感じる一時。最高に癒されました!

竹製パンフルートによる生演奏(バンド編成)
【イベント限定メニュー】竹の器で楽しむ県産酒と別府地獄蒸しめんまのおつまみセット(500円/50セット限定)
※竹の器はお持ち帰り可能
※イベント限定フレーバーを除き、めんまは販売中

ただ作品を見るというだけでなく、作家さんから直接お話を聞く機会や、音を聞いて、味わってといった様々な刺激をいただき、竹細工に関する関心や感動が深まる素敵なイベントでした。

大分県立美術館 OPAM

[TEL]097-533-4500
[住所]大分県大分市寿町2-1
[定休日]原則無休(館内点検等による臨時休館を除く)
[営業時間]10時~19時 ※金曜日・土曜日は20時まで(入場は閉館の30分前まで)
[駐車場]あり
「大分県立美術館 OPAM」のSNSはこちら
「竹会」の詳細はこちら

竹かご製作工房 竹楓舎

お次にご紹介するのは竹細工を実際に楽しむことができる「竹楓舎」さんです。
カラフルでポップなインテリアと、さまざまな作品が飾ってありワクワクする空間!

竹楓舎さんでは“竹のペンダント作り”を体験させていただきました。

はじめの球体はもうすでに作ってくださっているので、あとは空いている隙間に竹ひごを差し込んで丸い形のペンダントを作り上げていきます。

簡単そうに見えるこのワークショップですが、後半は意外と難しい…!みんな夢中で黙々と作業を行う時間も。笑

真剣な私たちをにこやかに見守ってくださるオーナーの「大谷 健一さん」

ワークショップ体験前に、竹楓舎のオーナーであり一級竹工芸技能士の「大谷 健一さん」の竹かご作りの一部を見学させていただいたのですが、実際に竹を扱ってみて、竹細工の難しさをひしひしと感じました。

2階の工房にて竹カゴ制作過程の一部を見学

ワークショップはご予約にて体験できます。大谷さんは英語も話せるので、日本語が話せないという方もご安心ください。

最後は出来上がったペンダントと、大谷健一さんとパシャリ。貫禄がありつつも、笑顔が素敵でチャーミングな先生でした!

竹かご製作工房 竹楓舎

[TEL]-(お問い合わせフォームよりメールでのお問い合わせをお願い致します)
[住所]大分県別府市大畑11組
[定休日]土曜日・日曜日(要問い合わせ) 
[営業時間]9時~17時
[駐車場]あり
「竹かご製作工房 竹楓舎」の詳細はこちら

別府市竹細工伝統産業会館

もっと詳しく竹細工について知りたい!竹細工の歴史についても学びたい!という方におすすめのスポットはこちら。「別府市竹細工伝統産業会館」です。

作品名「雲龍」 作「田辺 信幸さん」

別府市竹細工伝統産業会館では、入り口を通ると飴色の大きな作品が出迎えてくれます。こちらは30年前に職人さんが一人で作られた作品とのこと!こんなに大きく細かな作品を一人で…驚きです。

そして、こちらの作品は今までに見てきた白っぽい竹とは違い、濃い茶色で艶やかな見た目も特徴的でした。竹は年月が経つことで色味が濃くなっていき、作品に味が出てくるそうです。この作品は30年前はどのような色だったんだろう…!

撮影NGの箇所も多いためあまり撮影はできなかったのですが、館内では人間国宝「生野祥雲斎さん」の作品や、フラワーベースなどの現代のライフスタイルに合わせた竹細工新製品など幅広く展示しており、伝統と現代の竹細工をギュギュッと楽しむことができます。

また、日常使いできる竹細工作品を販売しているお店も併設されており、お土産を購入するにもピッタリです!

実際に購入した竹かご

私も竹カゴに一目惚れして、自分用のお土産として購入させていただきました。自宅リビングにて使用しているのですが、コロンとしたフォルムがとっても可愛く癒されます。この子だけの味が出るように、大切に大切に使用してきたいと思います。

別府市竹細工伝統産業会館

[TEL]0977-23-1072
[住所]大分県別府市東荘園8丁目3組
[定休日]月曜日(ただし、祝日の場合は翌日)、年末・年始(12月29日~1月3日)
[営業時間]8時30分~17時 (ショップ&カフェは16時30分まで)
[駐車場]あり
「別府市竹細工伝統産業会館」の詳細はこちら

別府竹細工cotake(コタケ)

4番目にご紹介するのは、女性職人さんが営んでいる工房兼ショップ「別府竹細工cotake(コタケ)」です。

女性ならではのセンスが詰まったショップには、竹製品を買ったことのない世代でもワクワクするような竹製品がたくさん!製品はもちろんですが、ショップもおしゃれで清潔感があり、特に女性におすすめしたいスポットです。

オーナーであり工芸家でもある「佐藤美樹子さん」は、先ほどご紹介した別府市竹細工伝統産業会館で竹細工の美しさに感動し、工芸家を目指すようになったのだそう。

竹細工の美しさに感銘を受け作られた佐藤さんの作品は、ラインの細さやアクセントの色までこだわりを感じます。絶妙で、繊細で、竹細工の新しい魅力を引き出しているように感じました。

たおやめ ¥5,800(オンラインショップでも販売中) ※オンラインショップはこちら

cotakeでは最大5名様まで参加できるワークショップの受付も随時行っているので、ご家族連れの方でも楽しめそうです。別府駅から徒歩15分ほどなので、別府に訪れた際にぜひ一度訪れてみてください。

別府竹細工cotake(コタケ)

[TEL]0977-51-4396
[住所]大分県別府市弓ケ浜町2-28
[定休日]日
[営業時間]10時〜17時
[駐車場]あり
「別府竹細工cotake(コタケ)」の詳細はこちら

ここまではショップやイベントについてご紹介しましたが、最後に竹細工製品の原料となる竹の加工会社と、竹が生息している竹林についてもご紹介いたします。

竹細工製品を“作る人・売る人・支える人・伝える人“が一つとなって伝統工芸を盛り上げようとしている大分県。竹細工を知る上で、これからご紹介する2つのスポットも欠かせません!

永井製竹株式会社

まず初めにご紹介するのは、別府唯一の製竹会社「永井製竹株式会社」です。

製竹とは、切ってきた竹を竹細工などに加工できるように行う処理のことで、切り立ての竹を茹でて乾燥させるまでの一連の流れのことを指します。

(左)湯抜きせず放置し、腐ったもの(中央)油抜き前(右)油抜き直後

何メートルもある竹を茹でる釜は特殊な形。そして、一連の製竹作業はかなりの重労働! 処理前の竹や乾燥中の竹も拝見したのですが、人間の倍以上ある竹の長さに圧倒されました。(絶対移動させるだけでも大変…)

永井製竹さんでは今まで竹の卸ししか行っていなかったのですが、近年は竹細工製品の制作から販売も行っているそうです。また、竹の廃材を窯の燃料として使用するなどSDGsの観点からも色々な取り組みをされているとのこと。

一社で大分県の竹細工職人さんを支えながら新しい挑戦も続けている永井製竹さんの心意気には脱帽です。オンラインショップもあるので、遠方の方もぜひ覗いてみてください!※オンラインショップはこちら

永井製竹株式会社

[TEL]0977-24-0417
[住所]大分県別府市光町3-15
[定休日]日曜日
[営業時間]10時〜16時
[駐車場]なし
「永井製竹株式会社」の詳細はこちら

サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド

最後にご紹介するのは、サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド内にある竹林です。

ハーモニーランドに行った事がある方でも、竹林の存在を知らない方も多いのでは?実は私も「小さい頃に行っていたハーモニーランドに竹林!?」と思いながら現地を訪れました。

園内マップを見てみると、きちんと記載がありました。

こちらには、様々な種類の竹が生息しており、手で触れることも可能です。(足元が危ないので、竹に近づく際は必ず注意を払ってください!)

この2日間で訪れたショップや職人さんからたくさんお話を聞いていたので、しゃんと伸びている竹たちがなんだか身近に感じました。

製品を知るだけでなく、製品ができるまでの工程や原材料に触れてみる。今までにないとても貴重な体験になりました。

サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド

[TEL]0977-23-1072
[住所]大分県速見郡日出町藤原5933 ハーモニーランド
[定休日]不定休
[営業時間]10時〜17時(10時〜19時の場合あり)
[駐車場]あり
「サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド」の詳細はこちら

この記事ではたくさんのおすすめのスポットやイベントをご紹介させていただきましたが、大分県内にはまだまだ竹細工を学び楽しめる場所がたくさんあります。大分県を訪れた際には、温泉だけでなく、ぜひ竹の魅力にもどっぷりと浸ってみてください!

おわりに

今回は、NPO法人 BEPPU PROJECTが企画された“竹細工を中心とした文化観光メディアツアー”に参加させていただきました。
別府が好き!別府を盛り上げたい!そのような心意気にあふれたスタッフにご案内いただくことで、自分で企画する旅行よりも新しい発見が多い旅になりました。
みなさま、別府市を訪問される前は、ぜひ一度BEPPU PROJECTのホームページを覗いてみてください。

■NPO法人 BEPPU PROJECTに関する詳細はこちら